午前11時の楓温泉郷

ハロヲタのための24のガヴォット第11番変ホ短調 副神経午前11時

 銅Cu 銀Ag 金Au

周期表の11族には 銅 銀 金 といった なじみの深い金属が並んでいます。
これらの元素はみなイオン化傾向が小さいため
これらの単体は酸化されにくい(逆に鉱石は冶金しやすい)ため
紀元前から利用され貴金属として扱われていました。

そもそも化学というのは錬金術から発展したようなものですから
これらの金属は化学史の出発点なのかもしれません。


いずれも美しい光沢をもち 性質が似ているため合金を作ることも容易です。


金は他の元素と化合しにくく 単体のまま産出する数少ない元素の1つです
金の元素記号 Au はギリシャ神話の Aurum(オーラ)に由来します

オーラをかけると必殺技が出やすくなる    のはFF8でしたっけ


銀の元素記号は Argentum(光り輝くもの  銅の元素記号は産地のキプロス島に由来します



周期表で3族から11族までの元素は 遷移元素 と呼ばれ化合物が美しい色を持っています
遷移元素はすべて金属元素なので 遷移金属 とも呼ばれます


硫酸銅の結晶は美しい青色をしていますが
あの色は 2価の銅イオンに酸素原子が配位したときの色で
硫酸銅の無水物は白色です
青色の硫酸銅は銅イオン1つあたり4つの水が配位し さらに1つが結晶水として加わっています
また配位する原子などが変わると色も変わり窒素が配位すると濃い青色になります
硫酸銅溶液にアンモニア水を加えたときの美しい深青色は
アンモニアが4つ配位したイオンの色です。


フェーリング反応に用いるフェーリング液はこの中間くらいの青色をしていますが
還元性のある物質を加えて加熱すると 酸化銅(?) の美しい赤色沈殿を生じます
条件によっては金属の銅(0)ができたり酸化銅(?)ができたりするのでいろんな色になります

この反応はもともと糖類の検出に用いられたもので
グルコースブドウ糖) や フルクトース(果糖) ではこの反応がおき
スクロース(ショ糖)ではおきないと教科書や受験参考書に書いてあるのですが
実際にはスクロースでもおきてしまうことがあるようです。
たぶんスクロースが分解してグルコースなどを生じるためでしょう


硝酸銀や硫酸銅の水溶液にアンモニア水を加えていくと最初は沈殿ができますが
どんどん加えていくと溶けてしまって 銀は無色 銅は深青色 の溶液になります
これはどちらもアンミン錯体ができたためで
受験参考書にはよく 安藤の銀さんくさいアンモニアに雲隠れ なんて書いてあります。



硫化水素に対しては 銅も銀も酸性条件で硫化物が沈殿します。
硫化水素は2価の弱酸で 酸性条件ではごく微量の硫化物イオンしか生じないのですが
硫化銀(?)や硫化銅(?)の溶解度積は極めて小さいので沈殿してしまうのです